ゲイ 婚活カップル【インタビュー】「付き合う」とは何ですか？

お見合い始まってすぐに、じゅーん君の喋り方で外国の方かなと思ったのが印象に残っています。だからダメとかではなく、そうなんだろうな。と。

僕は話やすい、いい人だなという印象でした。

初対面から1ヶ月後に東京にイベントで来るタイミングがあったので、そのタイミングで「会いましょう」と約束しました。

「いつ会える？」ってLINEでやり取りしてたんですけど、ににさんが、来月イベントがあるからって言ってくれて、じゃあ会いましょうって流れになったんです。

田岡

お久しぶりの再開は、お食事とか？

上野動物園でした。

田岡

へー！！

新幹線が上野駅に止まるから、じゃあ上野で会おうと私が言いました。(笑)

田岡

動物園って、『デート』っぽいですね！

カメラを持っていて写真撮影が好きなので、せっかく行くなら、写真を撮ろう！って楽しんでいました。(笑)

田岡

何時くらいまで一緒に？

お昼くらいに着いて、16時くらいまで。閉園時間までいた気がします。…みんな帰って行ってるの覚えてるから、閉園時間までだよね？

うん、閉園時間だった！

田岡

そのあとご飯？

いや、私が予定あったので、バイバイって。

田岡

じゃあ４時間位一緒にいたということですね。
動物園って動物見ることがメインになると思いますが、会話は進みましたか？

休憩しているときに喋ったりしましたよ。

田岡

そのときって、会うの二回目ですけど、『まだわからないから会っているステージ』と『好意あり！で会っているステージ』のどちらでしたか？

わりと前向きでした。
私はいろいろ考え込むわりに、勘で動くタイプでもあるんですけど、最初プロフィールを見た時に、『この人とはちゃんと会わなきゃな』と思いながらお見合いしたんですよ。なんとなく。
ダメな人ってプロフィール見た時にダメだろうなって思いながら会ったりしてたんです。(笑)

田岡

なんでしょうね。それって言語化できない感覚ですか？

文面でなんとなく、『なんとなく良さそうだな』って感覚ですね。
実際会えて、お茶も行けて、デートの約束にも続いていったので、前向きな気持ちでしたね。
今までも、わりと人と会うときは第一印象で良し悪しが分かりますし、だいたい外れないので。(笑)

田岡

今回も外れませんでしたね！
じゅーんさんは？

はじめは正直友達のような感覚でしたけど、自然に『また会いたい』とは思っていました。

田岡

シンプルに一緒にいる時間が楽しいのが大事ですよね。
お二人は、告白するまで何回くらいお会いするんですか？

どれを『告白』とすればいいんだろ(笑)
〇〇市で会ったとき？

（笑）

田岡

順番にいきましょうか！
二回目が動物園で、三回目が〇〇市で会ったんですか？

ににさんに、毎回東京に来てもらうのは遠いし公平じゃないと思ったので、動物園行った日に「次はお互い真ん中の地域〇〇市で会いましょう！」と、伝えました。

田岡

好意がなければ、距離が離れた場所に会いに行こうと思わないですよね？

僕は地方住まいなので『東京に出てきて会う』というのがベースになると思っていたんですよね。
でも「中間地点で会おう」と言ってくれたので、こっち側に来てくれるんだ！と思って、それが嬉しかったので、〇〇市で会って飯食って、散策してた時に「僕って可能性ありますか？」って聞きました。

田岡

「可能性ありますか？」は告白に等しい！

僕ちょっと聞きたかったこと思い出したんですけど…
動物園で会った時にお互いの好みの話をしたんです。その時お互い「筋肉がついている人が好き」って話になって(笑)
でも、ににさんは「そういう人じゃなくてもいいや」って後から言ったんですよね。
あれは、どういう意味だったの？

全然覚えていないや。(笑)

えー！！すごい気になってたんだよ、僕は可能性があるのか？と思って。

単純に『背が高くてマッチョ』って理想はあるけど、理想を求めていたら、出会えるわけないから、そういう人じゃなくてもいいって意味で言ったんだと思うよ。

でも、ににさんは筋肉ついてよ。

脂肪だよ。

そんなことはいいとして！(笑)
理想は理想としてあるとしても、会っているときの穏やかさというか、精神的な部分で合っているんだったら、いいかなって。
それプラス見た目も求めてたら自分で可能性を狭めることになるから、性格が合うならどうでもいいんじゃないかって思ってる。

なるほど、理解しました！

田岡

言葉の答え合わせができましたね。(笑)
そして「僕は可能性あります？」と聞いた続き、私は気になります！

「お付き合いしたいと思っています。」と、じゅーんくんが返事をしてくれました。

田岡

ゴールイン？！

…だと俺は思っていたんですけど、なんとなくふわっとしていたので、「ん～？」と思って、次また東京に来る機会があったんです。
その時確認したら「『付き合う』の意味が違う」という話をされて。(笑)
『付き合う』っていうのは『カップルになる』という意味じゃなくって、彼にとってはカップルになる前の期間ということ…だっけ？

そうなんです。
カップルになる前のステータスだと思っていました。

田岡

日本語難しいですね。

難しいです。

その感覚の違いに「あ～そうなんだ！」と思って。

職場のLGBTQサークルで「付き合うの意味は？」って聞いてみると、日本人のみんなが、「カップル」と答えたんです。
それを聞いて『大変だ！』と…。
もちろん嫌ではないし、ににさんとは会いたいと思ってたんですけど未来はまだこれから考える段階だったので、直接ににさんに会ったとき「付き合うってどういう意味なの？」って聞きました。

わりと衝撃的だったもん。違うんだ、って。(笑)

僕も聞いて、言葉の意味が違うんだって分かりました。

田岡

難しいですね、日本語の細かいニュアンスとか。
でも、ににさんよくその違いに気づきましたね。

後日、どういう意味ですか？と聞かれて「カップルになるという意味です」と答えて「僕は違う意味なんです」と言ってくれたので、お、おう、そうかそうかと。(笑)

田岡

でも言葉の意味は違っても、前向きに考えてくれているんだっていう共通認識は取れましたよね。そこからまた、お互いのタイミングで会い続けたのですか？

温泉に泊まりに行ったんですよ。
その時に、結果的にちゃんと告白した形になるのかな。

田岡

どっちから？ここ、大事なところです。

どういう流れかは覚えていないけど、最終的に私だったかな？

たぶん、ににさんかな？

どういう流れだっけ？全然覚えていない。

テレビを見てたんですよ。二人で。
ドラマの告白シーンには色んなパターンがあって僕が聞いたこともない言葉もあったので見ながら勉強してたんですけど、ににさんは「告白は照れるから言えない」と言っていて。
結局僕からいろいろ職質みたいな質問をして(笑)最後に彼が、告白してくれました。

言わされた、じゃないけど(笑)
告白するならたぶん僕は「一緒に居たいです」みたいなことを言うかな？と話してたんです。でもじゅーんくんは「好き」という言葉がないと、伝わらないと言っていて…

私はドラマの見過ぎです。(笑)

そっか～っと思って、ちょっと考えてから「好きです」って言ったんだよね？

そうそう。

田岡

言わされましたね。

ちょっと黙って、静かな雰囲気が漂ったので『絶対これは言えってことなんだろうな…』と察しました(笑)

僕だけの解釈なんですけど『付き合う』が、カップルの前のステータス。
『告白』してカップルになれる。なんです。
ドラマのように告白シーンがあって、「好き」と伝えて相手も「好き」って言うと、ステータスが、カップルになるイメージでした。

田岡

なるほど！でも言われてみると確かに「付き合いたいです」を告白だと思い込んでいましたが気持ちの意思表示「好きです」が先にくるほうが自然ですね！日本語難しいです！

いや、僕はやっぱりドラマの見過ぎだと思います。(笑)

私の移動(首都圏外からの来店)は自業自得なので、アレですけど。(笑)
単純にモチベーションが下がっているときに、どうしよっか…と。

田岡

卒業される方はみなさんおっしゃいます、その維持が一番難しかったって。

『とりあえず行くか！』っていうテンションの時は多分何回もあった気はします。

田岡

どうやって保ってましたか？

多分あまり保ってないです。
ダメなんだろうな‥‥って思い前提で来ていたときもありましたが、とりあえず行く！と、行動だけはしていた感じですね。

田岡

じゅーんさんは何が大変でしたか？

自分は日本語勉強中なのでカタコトになったり、語彙が少ないがゆえに、感じていることの一部しか伝えられなくて、お相手から連絡が来なくなることもありました。言語関係の難しさですね。

田岡

出会いは、学校で習う言語以外の語彙力が必要とされそうですね。感情表現とか。

感情の表現とか、ゲイ用語とか絶対学校で学べないですね。
例えば「タチネコ」とか全く分からなかったです。最初。

田岡

私もこの仕事を始めたときエクセルで一覧作成して覚えました。
用語を使用はしないですけど、お客様が伝える言葉を知る必要はあったので。

行動したほうが良いんだろうなっていうのは思いました。
私は活動してて変わったので。
迷惑かな～とかアレコレ考えてしまうタイプではあるんですけど、色々相談をさせていただく中で、結局行動しないと何も変わらないというのは実感しました。

田岡

そうですね。そこに尽きますね。

ダメならダメで、じゃあ次！っていう切り替え。
行動してみると変わっていけます。

田岡

ありがとうございます。じゅーんさんからも贈る言葉いただけますか？

大切なのは、僕は頻繁に連絡することだと思いました。
自分が好きなものとか、面白い写真でもいいし、一緒に行きたい場所でもいいし、連絡して「次回一緒に行かない？」「一緒にしない？」と声を掛けることからだと思います。

田岡

知らない者同士が会うので、まずは連絡取り合うっていう行動が大事ですよね。

はい、行動は大事だと思います。

やっぱり常にじゅーん君がいるので、私はじゅーん君みたいに頻繁に連絡できるタイプではないですし、今まで友達にも連絡をしない方だったんですけど、じゅーんくんに伝えたいこと、共有したいことを常に考えるようになりました。
それは一人では考えられないことなので、変わったかなっていう感じがします。

田岡

ひとりだと自分の中で完結しますもんね。
じゃあ、ちょっとはににさんも、マメに？

多少？(笑)

田岡

じゅーんさんは？パートナーができて変わったことはありますか？

そうですね、２つあるんですけど、１つ目は思い出で幸せになれることです。
例えば渋谷に一人で来ても『あのお店で一緒にケーキ食べたな～』って、ちらっとお店見ただけで幸せな感じがします。

２つ目は、生きる意味です。
ずっとひとりで住んでいるんですけど、何のために生まれたのかずっと考えていました。
同僚とは仲良く、仕事のため生きている毎日の中で、来日してからは地域活動に取り組んで、困っている外国人が多いことにも気付いたんです。

特に来日したばかりの外国人とか、日本語ができず、日常生活に困っている人が少なくないので、今はそういう方々へ自分がひらがな・カタカナの書き方とか、簡単な日本語をサポートして教えています。

そういう活動から、人を助けるために生きている。と感じるようになっていましたが、今は『ににさんがそばにいるから』という理由もひとつ増えました。
ににさんがそばにいるから、生きているっていう感じで、人生が楽しく感じます。

田岡

ににさん・・・最高の告白ですね。

感動しちゃった。

田岡

改めて、おめでとうございます。
本日はありがとうございました。