「多様性とは」を描いてみた

こんにちは!!

ゲイ専用結婚相談所ブリッジラウンジの石垣です!

ご来店いただきました皆さま、渋谷の新店舗、お見合いブース前の壁に描かれたこちらの大きな絵はもうご覧になられましたか?

実は、こちらの作品、美術大学院を修了された弊社スタッフ佐野汐李(さのしおり)さんが描きました。( ゚Д゚)

https://xxxaz.jp/member/sano-shiori

 

元々、「ジェンダー(社会的に構築された性)」について関心があり、独学で勉強。

これまでも様々なアート作品を通して佐野自身が考える性に対する思いを表現してきました。

今回は、こちらの大きな作品に込められた思いや、ブリッジラウンジの会員様へ向けたメッセージをインタビューを通じて伺いました。

この作品のテーマを教えてください

テーマはダイバーシティ(多様性)です。

私たちxxx(エイジィ)株式会社の「行動規範」に、『組織に公平な競争を生み出せ』というものがあるのですが、公平な競争っていうのは、まず多様性のある社会が実現しないと公平な競争にはなり得ないと思ったため、この作品では「多様性」をテーマにしています。

絵の中で、どのように「多様性」は描かれてますか?

この絵の中にいる人たちは基本的に性別がありません。

で、性別がないとか、男女の区別がなくなるっていうと、結構批判的な目が生まれることがあると思うんですけど、そうではなくて、そもそも私たちは普段、「男女性」を身に着けているだけなんですよね。

ジェンダー(社会的に構築された性)を他人に見せて、他人を通して自分でも自覚して、という風に生きていく中での刷り込みで、

男はこうでなくてはならない

女はこうでなくてはならない

みたいなのが毅然と生まれていると思うんです。

でも、この絵の中の人たちは、基本的に性別、年齢、肌の色、美醜、身体性、宗教、生い立ちに関わらず、自分の好きな服を着て、自分の好きな振舞いをしているんですね。

例えば、船の左上の人。

この、黒人と言われる肌の色をした方は、クリケットをしているのですが、「ブラックグローブ」を掲げています。

ブラックグローブというのは、黒人の解放運動の象徴です。

石垣:本当だ!

あとは、セクシュアリティで言うと、見た目上は同性愛者っぽい方々がいるんですけど、本人たちが好きな恰好をしているので、ヘテロセクシュアル(異性愛者)なのか、レズビアンなのか、ゲイセクシュアルなのか分からないようにしています。

石垣:本人達が知っていれば良い事ですしね。船の真ん中の3人は何をしているんですか?お祈り?

そうです。真ん中に祈っている人たちがいるんですけど

肌の色を白く描いている方はあえて仏教の祈り方を

真ん中の方はイスラームの方なんですが、ユダヤ教の祈り方を

黒人の肌の色をした方は、キリストの祈り方をしています。

あえて、「っぽく」はしているんですけど、明確に「それ」とはしていないんです。

なぜなら、どんな祈りがあってもいいし、どんな宗教があってもいいし、各々神様は違うというか、いなくてもいい、そこは自由でいいからです。

そして、船の延長線上にいる人

 

少しぽっちゃりした、女性のように見える金髪の方がいるんですけど、その方はちょっと太めだけど肌を出した服装をしているんですね。

石垣:そう見えますね!どんな意味があるんですか?

これは、見た目に関することで、「太っている方が悪くて、痩せている方が良い」という価値観が世の中では多いと思うのですが、太っていようが痩せていようが、自分の肌は出して良いし、それを恐れることはないんだっていうことを示しています。

体型が豊かでも良いし、痩せていても良い。

石垣:その通りです。

で、その横で寝そべっている方がいるんですけど、この方も、そもそも女性か男性か分からないけど、脚を出して腕を出して、かつ、あえて毛を描いてるんですね。

石垣:あ、本当ですね!よく見ると白っぽい毛が!これはどんな意味が?

「毛を剃らなくちゃいけない」、「ケアをしなくちゃいけない」ということも、そもそもないじゃないですか。

好きな恰好をして、好きなように肌を見せていいんだっていうことを伝えています。

石垣:この絵の中にいる人、本当に一人ひとりそうなんですね。

そうです。車いすの人がいたり、義足の人がいたり、白髪で年をいっているように見える人もいれば、子どももいるんです。

石垣:あれ、人じゃない人(?)もいますよね!?

はい。透明人間もいます(笑)

石垣:透明人間!?

これは、真ん中の方にいる科学者で、体が半身消えてる人がいるんですけど、この人が実験として透明人間を作り出す薬を作っていて、

で、この人(↓一番左上)が実験台として透明人間になった人なんですけど、透明人間になったから、誰からも気づかれなくなって、あえて自分の好きな派手な服を着て、目立ちたいっていう透明人間の人がいたりだとか。

石垣:お・・・面白い・・・

あとは、口の大きい怪獣の赤ちゃんがいて、その子も健やかに生きていて良いんです。

 

それから、船の中にワニがLACOSTEの服を着ているんですけど、

石垣:え!?本当だ!!

 

この絵は、ノアの箱舟をモチーフにしているところがあるんですけど、このワニは動物の中でも市民権を得て、服を着て生きているんです。

石垣:面白い(笑)世に言う多様性の範疇を優に超えている「多様性」ですね。

そうですね(笑)そこはちょっと、「あえて」意識しました。

石垣:佐野さんからすると、今の世の中で謳われている「多様性」は、まだまだ実現は程遠いのでしょうか?

正直、他の人々のそれぞれお個人の立場になってみないと、分からないことなので、否定的な意見は何一つできないんですよね。一回それぞれの話を聞いてみないと分からないから。

でも、「多様性」に関して、知ろうともしないで拒否反応を示している人は、一回考えてみてほしいなと思います。

石垣:なるほどなるほど。「多様性」というテーマでこの壁画を描き上げた佐野さんが、普段から気にしていることはありますか?

そうですね。自分の中で、男女という区別があってもいいし、なくてもいいし、ヘテロセクシュアル(異性愛)があってもいいし、ゲイセクシュアルでも、バイセクシュアル(両性愛)でも、パンセクシュアル(※1)でも、レズビアンでも、アロマンティック(※2)だろうと、他にも様々だと思うんです。

ただ、気を付けていることは、相手がどういう方なのか、見た目では決めつけない、というのは気にしています。

その人の言葉とか、人間性とか、何が嬉しくて何が嫌なのか、意見を聞いた上で、その人に対する言葉を選ぶようにはしています。

石垣:ありがとうございます。大切なことですよね。私たちxxx(エイジィ)の会社内でも共通認識としてこれからも伝えていきたい事ですね。

そうですね。

石垣:では最後に、ブリッジラウンジの会員様に向けたメッセージをお願いします!

前情報として、ブリッジラウンジの会員様は「オープンにすることができない方・していない方」が過半数ということをお伺いしていました。

そのような方々に向けてお伝えしたい事は、まずは引け目を感じる必要は全くないという事です。

そして、周りを見渡すとヘテロセクシュアル(異性愛)の世界が当たり前でシスジェンダー(※3)が当たり前の世界で、

「自分がおかしいんじゃないか」とか

「自分も皆と同じでないとけないのではないか」と、自分を否定される方も沢山いらっしゃると思うんですね。

でも、よくよく考えてみると、見えていないだけかもしれません。

見えないから、周りにいないと思ってしまう。

見えないから、その方々がどういう生き方をして、どういう気持ちでいるのかも知ることができない。

絶対的な「普通」は存在しないはずですし、自分の「普通」が相手にとっても「普通」なのか考えてみるといいかもしれませんね。

石垣:そうですね。

だからこそ、この絵を通して、隠れている人たち(隠されている人たち)や、言い出せない人たちは沢山いるんだ、ということを示したかったんです。

少しでもそういう人たちが生きやすく、自然体で振舞えるような社会にしていきたいですね。

自分の中で自分を否定すると、どこかで自分と同じような生き方をしている他の人も否定してしまうことになるので、結局皆生きづらくなってしまいます。

ですので、自分を肯定して、「自分はこうでいいんだ」って受け入れることで、他人も受け入れていく、そうやって多様性の社会が実現するのではないでしょうか。

石垣:なるほど。こうして改めてお話伺った後に、この「多様性の極致」のような絵を見ると、なんだか元気が出ますね!

ほんまですか(照)

石垣:自分対してに引け目を感じている方がこの絵を通じて、世の中の「隠れされている人」を一気に見ることができて、安心感を覚えるんじゃないでしょうか。「ラコステ着たワニもこんなに生き生きとしてるんだからがんばろ!」って、私は思いました(笑)

 

なかなかすぐには自信を持つことって難しいと思うんですけど、そういう時は周りにいる多様な人を見て、「色んな人がいて良いな」って思って、「自分もいて良いな」と、少しずつでも思ってほしいですね。

 

石垣:視野を広げてくれるような絵ですね。

 

逆に、この絵を「男の子」「女の子」「同性愛者」「異性愛者」というラベルを貼らないと見れない人ほど、すごく縛られて生きている人なのかもしれません。

石垣:確かに!この絵を見て、純粋にその人たち個人の個性をサラッと感じられる人は、自由でフラットな見方をできるのかも知れませんね。
この絵が「自分が固定概念に囚われているか」の判断基準になるかも?

 

かもね(笑)

あとは、この絵自体を描いている人も絵の中にいるんですけど、

(皆様、実際に壁画の中から探してみてください!)

これからの未来を描いているんですよ。

石垣:本当だー!

こうなる未来を作っていくぞ、っていう意味も込められています。

石垣:ますます、この絵が大好きになりました!!!ありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございました。

※1パンセクシュアル:男性・女性・どちらの性にも分類されない人、あらゆるすべての人たちに隔たりなく恋をするセクシュアリティ
※2アロマンティック:他者に恋愛感情を抱かない人
※3シスジェンダー:生まれたときに割り当てられた性別と性同一性が一致し、それに従って生きる人

オフショット集

デザイン中の佐野さん。初期デザインは今の完成形とは全く違うものでした。

 

アーティスト感!!

良い笑顔です!😊

ぜひ、佐野さんの大作見に来てください!

婚活コンサルタント 石垣桃


ぜひ、お店で実物をご覧ください!
ご来店予約はブリッジラウンジ公式ホームページから↓

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