「恋人はほしい。でも、結婚相談所に行くほどではないかも」
そう感じている方も多いのではないでしょうか。
今はマッチングアプリをはじめ、男性同士が出会う方法はいくつかあります。
では、そのなかで「ゲイ専用結婚相談所」を利用する意味はどこにあるのでしょうか。
今回は、ブリッジラウンジでこれまで多くの出会いを支えてきたコンサルタント兼店長「田岡」に、出会いの現場で感じてきたこと、この仕事を続けるなかで忘れられない出来事、そして当事者ではない立場だからこそ大切にしていることをスタッフが聞きました。
著書『素敵なご縁に恵まれて結婚やめました』にもつながる、その考えや経験をご紹介します。
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SECTION 01出会う方法がある今、結婚相談所だからできること
マッチングアプリなど、男性同士が出会うための選択肢は以前より増えています。
一方、これまで多くの相談を受けるなかで見えてきたのは、「出会うこと」だけでは解決しにくい難しさがあるということでした。
Q.男女の婚活と男性同士の婚活で、違いを感じるのはどのようなところでしょうか?
この仕事をしていて、大きく感じることのひとつが、恋愛の「トライ&エラー」の経験です。
異性愛者の場合、幼いころから誰かを好きになったり、気持ちを伝えたり、付き合ったり、別れたり、失恋したり、友人に恋愛相談をしたり、「自分はこういう人が好きなんだ」とか、「こういう関係が心地いいんだ」とか、少しずつ自分のことを知っていく機会がありますよね。
でも、ゲイの方の中には、そういう経験を十分にしないまま大人になった方もいます。
そして、いざパートナーがほしいと思ったときに、突然アプリを開いて「理想の人を探そう!」となる。
これって、かなり難しいことだと思うんです。
そして好きな人ができても、「積極的にいったら迷惑かな」「嫌がられたらどうしよう」と、行動する前に諦めてしまう方もいます。
ずっとセクシュアリティを周囲に話さずに生きてきた方であれば、「ありのままの自分を誰かに見せて、受け入れてもらう」という経験自体が少ないからです。
もうひとつ感じるのは、「その先」のイメージのしづらさです。
男女であれば、付き合って、親に紹介して、結婚して……と、良くも悪くも身近にたくさんのモデルがあります。
でも男性同士の場合、「付き合ったその先、二人でどう生きていくんだろう?」というところから、自分たちで考えていかなければならないことも多い。
だから私は、男性同士のパートナー探しって、単純に「出会える場所があれば解決する」というものではないと思っています。
SECTION 02「結婚相談所に行くほどではない」と思っている方へ
「恋人はほしいけれど、人の手を借りてまでは…」
そう思いながらも、結婚相談所について調べている方もいるかもしれませんが…
結婚相談所を利用するかどうかと、まずサービスについて知ることは別のことです。
自分にはアプリが合っているのか。それとも、誰かに相談しながらパートナーを探す方法が合っているのか。
まずは、それぞれの出会い方を知ったうえで、自分に合う方法を考えてみる。そのためのひとつの材料として、ブリッジラウンジを覗いてくれたら嬉しいです。
SECTION 03この仕事をしていて、忘れられない出会い
Q.この仕事をしていて、特に印象に残っている出会いはありますか?
一人に絞るのは本当に難しいですが、著書の最後にも登場する、サービス開始当初に出会ったカップルのことは特に印象に残っています。
入会して、お見合いをして、交際が始まり、一緒に暮らし始め、いろんな壁も含めて見てきました。
知り合って10年近く経過するので、今では「家族のような感覚」でもあります。
その2人が成婚退会のときに伝えてくれた言葉がありました。
「ずっと僕たちの光でいてね」
その言葉は、悩むことがあるときにも、ずっと心の支えになっています。
出会いの場をつくるだけではなく、その先にある関係まで長く見守っていく。そんな経験も、この仕事を続けてきたなかで積み重なってきました。
SECTION 04当事者ではないからこそ、「分かったつもり」にならない
Q.当事者ではない立場だからこそ、意識していることはありますか?
この仕事を始める以前は、メディアを通して目にするゲイの方のイメージに印象操作されている部分はありましたが、実際に多くの方と出会うなかで、そのイメージは大きく変わりました。
賑やかな人もいれば、静かな人もいる。派手な人もいれば、地味な人もいる。
「異性愛者はこういうタイプ」と括れないのと同様に、同性が好きな方も一括りにできないのは当たり前だという当たり前に気付かされました。
そう感じるようになった一方で、たくさんの方と関わってきたからといって、「当事者のことをすべて分かっている」と考えているわけではありません。
そのことを改めて考えたのが、著書を執筆したときのことです。
本の中にある「異性愛者がマイノリティだったら」という章を書く際、自分が当事者の意見を代弁しているように見えてしまわないか、悩みました。
悩んでも正解が分からない時は人に聞くのが一番です。
編集部へ原稿を提出する前に、実はこっそり3人の会員様に原稿を読んでもらったんです。
返ってきた反応は、それぞれ異なるものでしたが、実際の意見を受けて何度も何度も何度も…書き直しました。
私は、当事者ではないからこそ分からないことがあります。だからこそ、実際の声を聞いて教えてもらう。それは、本を書くときだけではなく、これまで多くの方と向き合うなかでも大切にしてきた想いなので、これからも勘違いをしない自分でいたいです。
SECTION 05出会いを通して、「結婚しない」という選択肢を知った
Q.以前は、結婚するのが当たり前だと思っていましたか?
そうですね、自分もいつか結婚するのが当たり前だと思っていました。
ところが、42歳でこの仕事を始めたある日の帰り道、突然、
「結婚しない」
という選択肢が自分の中にドーンっと。
驚くほどスッキリしました。
「その手があったか」と。笑
大切だと思い込んでいたものを手放したら、本当に心が晴れて。
「あぁ、私、コレがずっと重かったんだ」と気付けました。
会員様との出会いをきっかけに、私はこの人生の選択をしました。
でも、幸せそうな成婚カップルを見ていると、「パートナーって本当にいいな」と思うんですよね。
なので、もしかしたら60歳くらいで「恋人ほしい」とか言い始めるかもしれませんけど、その時は温かく見守ってほしいです。笑
SECTION 06その経験から生まれた一冊
『素敵なご縁に恵まれて結婚やめました』は、もともと私が「本を出したい!」と考えて始まったものではなく、仕事でつながったご縁から声をかけていただいたことがきっかけです。
最初は編集担当の方に「誰が買うの?」と言っていたくらいで、正直、そこまで意欲もありませんでした。笑
でも、ふと思ったんです。
「多数派の方に知ってもらえる機会になるかもしれない」
そこから担当の方と、本屋の「どの棚に並べてもらう本にするか」から考えました。LGBTQに関する本として当事者だけに届けるのではなく、多数派の方にもエッセイとして手に取ってもらえることを意識しました。
とはいえ、文章力もない私にとって、本を書くのは初めての経験。
自分の語彙力の乏しさに悲しくなったり、読み手を意識するあまり当たり障りのない文章になってしまったり。途中から本音をベースに全部書き直して、「文章を書くことを生業にしている人って、本当にすごい」と心から尊敬しました。
実際に書いた文章は、出版された本の倍以上。
婚活についてもたくさん書いたのですが、散々書いたあとに「これ、婚活本になってるな」と気づき、大幅に削りました。
内容はどうであれ、本は読むものであり、書くものではない。
これが私個人の一番の学びかもしれません。笑
そんな過程を経て完成した一冊ですが、この本に込めたのは、「こう生きるべき」という答えではありません。
だって、誰かが差し出す「こうあるべき」という価値観に、私自身も苦しんだ一人なので。
どこか1行でも、読んでくれた方にとって「少し楽に生きられるヒント」になればいいなと思っています。
そして、「ブリッジラウンジってこういうサービスなんだ」と知ってもらえたら、さらに嬉しいです!











